シーズンイン直前!2018年を振り返る ライナーズの課題と有水ヘッドコーチの想い 後編

   

3月になり、ポカポカ陽気にもなれてきた初春。桜が咲いたらラグビーシーズンがまた始まる…
って、ちょっと待ってほしい。
2018年シーズンに、トップリーグへの復帰が叶わなかったライナーズ、このままでいいのか?総括は?ファンはまだ悲しみにくれているぞ!


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前回は具体的に入替戦で勝てなかった要因を聞きました。今回は有水ヘッドコーチの1年を振り返りながら、週ひがが気になるあの選手たちのことをうかがいました。全員の評価を聞きたかったんだけど、時間の都合で4選手。ごめんなさい。

前田 試合を具体的に紐解き、シーズンを分析し、課題は明確になりました。大変なシーズンだったと思いますが、特にマネジメントの観点から苦労した点はどんなところでしょう。

有水 もちろんチームを変えていく段階では、苦労というか、想定外のことはありました。

前田 冒頭にお話しされていた厳しさの面でしょうか。

有水 正直にいうと、もっとキャラが濃いメンバーがいて扱いにくくて反発されて、というのをイメージしていたのです。一つの方向に持っていくのに、苦労するだろうなと想像していました。

ファーストミーティング時の有水HC。この時から非常に論理的。

前田 「近鉄ラグビー」と言うと、そういうイメージですね。

有水 ところがみんな、びっくりするほど素直だったんです。

前田 それは出身国の違いや、社員・プロの違いなど関係なくでしょうか。

有水 関係なく。もしかしたら、そこが受け身な雰囲気につながっているのかなと思いました。

前田 ラグビーチームじゃなくても、組織の文化に個人が合わせていくことは多いです。

有水 ネガティブになっちゃダメだ。でもネガティブと厳しさの違いは何だろう。

前田 たしかに、ライナーズの多くの選手から試合後のコメントで「ミスが出たから負けた」と聞かれます。それもここ数年のことではありません。ずっとですね。

有水 勝つために、プレーのプロセスは問わなければならない。私はそういう話をしたいんだ。と。

前田 「ミスをしなければ勝てた」は事実。しかしミスは、心持ちや気合いでなくなるものではありませんよね。

判断ミスも個人プレーもたくさんあった、2ndステージの三菱重工相模原戦。

有水 本人たちも気づかない部分があります。しかし、同じルーティンでやればまたミスをします。その感覚を変える関わり方を、私たちコーチはしなければいけません。

前田 コーチも自ら変わり、選手を変えていく。ってことですよね。すごい。

有水 そして選手も変わってきています。練習の質が変わった大きな要因は、そこの改善です。

前田 成長する選手たちを見るのは、ファンにとっても大きな楽しみの一つです。
そこで、もう一歩踏み込んじゃいます。週刊ひがしおおさかが独断と偏見で選んだ選手たちについて、教えていただきたいのです。

有水 わかりました。

前田 まず、チーム内MVPのステイリン選手。シーズンを通して大活躍でした。

よくゲインしていた、10ステイリン。

有水 彼は日本人が好む謙虚さを持って、好かれる選手。でも、ゲームメーカーとして図太く変わってほしいと思っています。

前田 確か、ライナーズに来るまでは主にCTB(センターバック)でしたよね。SO(スタンドオフ)に抜擢されたのは有水ヘッドコーチの判断でしょうか。

有水 そこはコーチ陣で判断しました。

前田 チーム内で同じポジションを争う野口選手はいかがでしょう。

ライナーズの希望、野口大輔。

有水 葛藤があると思います。すごく考える選手なので、あとは、自分の考えをまとめて伝えることが必要ですね。

前田

有水 詳しくはちょっと(笑)ただ、彼がファンの皆さんにも人気があるのはよくわかります。

前田 期待を一身に背負っていますよね。同じく、ファンが大好きなストーバーク選手について。時折ものすごいパフォーマンスを見せて、我々を熱くさせてくれます。

トライへ向かうストーバーク。204cm!

有水 以前の彼は心が折れるときがありました。でも昨シーズンを通して、何かきっかけを掴んだんだと思います。いいパフォーマンスが多くなりました。

前田 ムラがある。といえば、サンウルブズに参加しているマシレワ選手はいかがでしょうか。不安定さがファンに愛される要因になっています。

誰がなんと言おうと、マシレワはうちの子!絶対に守るぞ!

有水 いや、マシレワは安定性も出てきましたよ。10回プレーして、5回とんでもないミス。というのはなくなりました。

前田 確かに大ピンチになることはなくなったかも(笑)でもマシレワ選手は、ミスも大目に見てしまうくらい魅力的です。サンウルブズで良くないプレーをしても、記事で弁護しちゃうこともあります。

有水 えーと、多分前田さんも僕と同世代(昭和40年後半生まれ)なので、バファローズのブライアント※みたいな魅力って言いたいんですよね?

前田 あ、そう!あのギャンブル感が好きなんです!

有水 野口さん(この日はカメラマンでした)は、全然わからないですよね(笑)

野口 え?あ、はい。ぜんぜんわかりません。いや、前田から以前熱く語られたことがあったかもしれません。昔の野球選手でしたっけ。何か覚えがあるお名前なので。

前田 恥ずかしいこと暴露するんじゃないよ(笑)でも、プレーでも成長曲線でも、この先どうなるかわからない選手のほうが面白いです。

有水 僕も、先が見えないことのほうが好きな性分です。未知のことや確定していない未来を選択してしまいがちですね。

途中から、練習グラウンドに出てお話を伺いました。

前田 それって、ライナーズのヘッドコーチはめっちゃ適任ってことですよね(笑)
と、冗談を言っていたら、時間も無くなってきました。この記事を読んだ選手と会った時に「僕のことは聞いてくれないんですね」って言われそうで怖いのですが。
今日はこの辺りで失礼します。2019年シーズンに向けて、とても明るくなれました。ありがとうございました!

3回に渡りお送りした有水ヘッドコーチのインタビュー。
かなり攻めた内容だったので、お楽しみいただけたと思います。
ライナーズは強くなる。絶対に。そう確信できたインタビューでした。

※ブライアント
ラルフ・ブライアント。1980年代後半に活躍した近鉄バファローズの野球選手。常にフルスイングで、特大のホームランか派手な三振かでファンに愛された。

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編集長 前田

編集長 前田東大阪探検隊隊長・編集長

投稿者プロフィール

特定非営利活動法人週刊ひがしおおさか代表編集長兼東大阪探検隊隊長。
ふとした思いつきからはじめたWEBサイトが、13年。
これからは地域に嵐を呼びます。覚悟しろ!

好きなモノ:花園近鉄ライナーズ、阪神タイガース、競馬、ゲーム、プラモデル、楽でお金になる仕事。
嫌いなモノ:愛、本物

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コメント

    • 2019年 3月 20日

    質の高いインタビュー記事ありがとうございます。
    コーチ陣であるからこそわかることだけでなく、自分達ファンが言いたかったこともちゃんと気づいて頂けてるんだなと。
    新人選手も入ってきますし、ウィルゲニアと契約寸前との噂もありますし、新制ライナーズ。たのしみにしてます

    • 編集長 前田
      • MaechanYK
      • 2019年 3月 20日

      ありがとうございます。
      結構攻めたインタビューでしたが、OKしてくださったライナーズの皆さんに感謝したいです。

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