ある日、東大阪市内のとあるラーメン店でお客さんとお店の人が
「布施に鯛ラーメンの店ができるらしい。限定で鯛をやろうと思ってたけど、どうしようかな。」
と話していました。
結果、このお店に鯛ラーメンが現れることはありませんでした。
ほかのラーメン店にメニューをひとつ諦めさせるお店。鯛ラーメン。
気になる、どうしても食べてみたい!

最高の組合せ。その訳は、↓で。
ということで、行ってきました「鯛ラーメン銀次、ぷるっと。」
…いや、ぷるっとって(笑)
布施駅の北西、商店街の西側にできた鯛ラーメンのお店。場所も、メニューも、店名もトンガリまくってて聞きたいこと満載です。

こんなところにラーメン屋?!セントラルビル1階。のぼりを目印に行ってみよう。
お店に入ると、シュッとした内装の中で店長の春菜さんが出迎えてくれます。
「あの…ぷるっとってなんですか?」
不躾すぎる、どストレートな記者の質問に
「たぶん、食べてもらえるとわかると思います」
と笑顔で応じられると、答えは一択、じゃそれで。
塩としょう油の2種類あるということで、悩んだ末に塩。「鯛ラーメンぷるっと塩」(850円)を注文します。

意外(?)とメニューも豊富。
待つこと、数分。出てきたのは、黒いおひつ。ラーメンの容器は丼と思っていた記者は、ここでも度肝を抜かれます。
そして、おひつとともに出された、鯛の形のゼリーっぽいこれ。

ぷるぷるしてるから「ぷるっと」と名づけられました。
これが、ぷるっと。鯛の旨味を閉じ込めたタレをこれまた鯛から取ったコラーゲンで固めてあるのです。
この”ぷるっと”を、おひつの中にあるラーメンに溶かして食べるとのこと。
では、蓋をとって…とオープンした瞬間、濃厚な鯛の香りで包まれます。
これは、これは早く食べたい!
完全に、翻弄される記者。ゆっくりとぷるっとをスープに浮かべると、すぐにタレが溶け出して塩鯛ラーメンの完成です。
これは絶対においしい。

ぷるっとをおひつに投入する瞬間がたまらない。
麺にもこだわりが見られます。
小麦をたっぷりと含んだ、平打ち中太縮れ麺。これがスープをよく絡めて、口に運ぶごとに鯛の一番おいしい身を味わっているかのように、旨味と香りがぐぐっと押し寄せるのです。
「結局、1年間かかっちゃいました(笑)」
と照れくさそうに話す春菜さん。

この揚げゴボウが中毒性を倍増させている。
トッピングにもこだわりが。野菜ソムリエでもある春菜さんが、こちらも1年がかりで試行錯誤。揚げゴボウや玉ねぎなど、他のラーメンとは一線を画す「誰もがおいしく食べられるラーメン」を演出します。
もともとラーメン店での勤務などの経験もなく、ただ鯛の魅力に取り憑かれたのが始まり。
「どうしてこんなにおいしいんだ?」と調べてみるとアレルギー物質も含まれていないし、栄養価も高い。
多くの人に鯛の良さを提供しようと、ラーメンにすることを決意します。
試行錯誤を繰り返し、「自宅から一番近い都会」だった布施で、今年3月にようやくお店をオープンしました。

おひつを出すこの仕草にもこだわりを感じる。
しかし、思い切って独立したもののラーメン店を経営するノウハウもなく、仕入のルートさえも手探り。
ぷるっとを一つ一つ作りながら、なんとか4ヵ月が経ち今では常連さんも増えました。家族連れや親子3代での来店など、幅広い層に愛されるようになったといいます。
ラーメンって、実はお客さんを知らず知らずのウチに選んでしまうもの。
そんな中で、幅広い層が「おいしい」と思えるラーメンを作り、そしてファンができるってのはただ事じゃない。
鯛ってすごい。ぷるっとは偉大。

シュッとした店内。人気店の要素をすでにいくつも備えています。
うん、これはおいしい。いい記事が書けそうだ!と鯛の香りと旨味に満足していたら、春菜さんから
「鯛ごはんも好評いただいています」
と悪魔の囁き。
ここまで来たら頼んでしまえ!

鯛ごはんをスープに投入。なにこれフルコース?
ああ、もうラーメンというよりも、鯛づくし。いや鯛のフルコース?齢44にして、新しい鯛の魅力に気付かされてしまいました。

鯛雑炊のような、濃厚でさっぱりしたお味。
今夏は「冷やし」にも挑戦。その他、お客さんの要望を出来る限り叶えようと奮闘中です。
布施にできたちょっととんがったラーメン店は、誰よりもお客さんと鯛とともに最高の一杯を追い求める優良店でした。
布施に行って、寄らずに帰ることなかれ。
損するぞ。
■鯛ラーメン 銀次、ぷるっと。
住所:大阪府東大阪市足代北2-1-7 布施セントラル 1F
営業時間:月~金 11:00~15:00、土・日 11:00~15:00 & 18:00~22:00
定休日:水曜日※祝日は不定休のため要確認
TEL:06-4306-5598
公式サイト:Facebook、Twitter
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。