前節、NTTコムに大敗したライナーズ。悔しい結果でしたが、安定したセットプレーを見せ次への希望をつなぎました。
第4節はキヤノンイーグルスとの対戦です。強豪とはいえ、開幕から3連敗中で不調を極めるキヤノン。しかし、田村やエドワード・カークなどサンウルブズで鍛えられた選手が名を連ね、ここ数年ライナーズは勝てていません。1勝2敗中のライナーズにとっては勝ち星を上げたい一戦ですが、それは相手も同じです。
意地でも勝たなければいけない戦いが、9月9日(土)、徳島県鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアムにて行われました。

東大阪からは2時間と、案外近い鳴門。近鉄バス3台で、ファンもちゃんと駆けつけました。
ライナーズに目立ったメンバー変更はなし。若手では田淵・野口・矢次が開幕戦から連続出場。森田・辻が今季初登場です。ストーバーク不在が気になりますが、特別枠は前節に引き続きマシレワが入ります。そろそろコンブリンクの活躍も見たいぞ!
「誰が出ても問題ない」と自信を見せるFWがセットプレーで取ったボールを、うまくアタックにつなぐことができるかが鍵です。

キヤノンのルワジ・ンヴォヴォ選手と肩を組みながら入場行進するコンブリンク選手。おちゃめ。
17時、風はほとんどない中、キヤノンボールでキックオフ。
開始早々PGを決めたのはキヤノン。SO田村のキックでエリアを取り、素早いパスで前に出てきます。密集でもライナーズはボールを取られ、全体的に押され気味…。
しかしスクラムは今日も好調です。相手のコラプシングを誘い、FWで優勢を作っていきます。モールも積極的に仕掛けていきます。
13分には野口がPGを決め、3-3の同点に。
しかし直後の前半14分、井波が空中タックルのシンビンで一時退場すると、PGを得たキヤノンはさらに3点を追加。ところが相手FWにもシンビンが出て、互いが14人に。
エリア取りはできるものの、そこからがつながらないキヤノン。一方ライナーズはFWの強いあたりで前へは進めますが、トライにつながらず。煮え切らないまま時間が経過します。
前半25分、WTBサウマキに個人技でトライされ3-8とリードされます。
が、そこで折れないのが今季のライナーズ。
前半28分、相手陣ゴール直前まで迫ったマイボールスクラム。SH金が持ち出し左へ走り、No.8イオプアソがすかさず走ってきたFBマシレワへ。そしてトライ!野口がGを決め、10-13に。

マシレワ、トライ!
その後点数が動くことなく前半終了します。
ハーフタイムを終え、ゴール前のアタックやスクラムなど、どこまで修正できているか。しかし、先に修正してきたのはキヤノンでした。
ライナーズのアタックがしっかりディフェンスされています。リザーブのエドワード・カークが入ると、さらに不利に。
アタックに転じる場面があるものの、ゴール直前でのミスを連発してしまいます。
後半22分、失速したライナーズは2トライめを奪われ、10-20に離されます。
疲れてくるこの時間。前の3試合はここからトライを奪われている時間で、あと11点以上取らなければ…厳しい状況。
しかし、ここで力を発揮したのは、CTBファインガの代わりに入っていたあの新外国人選手。そう、ルアン・コンブリンク!
後半28分、相手のペナルティで得たPKを、コンブリンクが残り5mまでタッチで持っていきます。それを起点に、ライナーズはマイボールラインアウトからモールを形成し、一気に押し込みます。押して、押して、HO王が持ち出して、トライ!15-20。

王のトライ!週ひがのカメラではこれが限界でしたが、迫力は伝わるでしょうか。
あと1トライで追いつく点差。残り10分、ここからライナーズは攻め続けます。
34分には、いつも以上に体を張り続けていたトンプソンが、今日一番のプレーを見せます。キヤノンボールのラインアウトにプレッシャーをかけ、その後の密集でペナルティーを奪います。

ラインアウト後、トンプソンが密集でペナルティを奪ったシーン。
ここからまたも、コンブリンクのナイスタッチキックで残り5mのマイボールラインアウト。
モールをトライ目前まで押し込むと、ラックサイドにコンブリンクが走り込んできました!トライ!20-20。
ついに並び、コンバージョンはライナーズの英雄・重光泰昌。角度のある難しい位置から見事に決めて、逆転。22-20!

コンブリンクのトライ!
焦った相手はペナルティを犯し、40分、SO重光が10mライン中央からのPGを確実に決めます。
25-20。最後はターンオーバーで得たボールを蹴り出してゲーム終了となりました。
「7年ぶりの徳島で勝つことができてうれしいです。キヤノンには3連敗していたので、払拭したかった。苦しい勝ち方でしたが、勝って反省できます」と坪井監督。
苦しかった前半。しかし、リザーブの投入で自分たちのペースに持ち込み、ラスト20分であっという間の逆転劇。FWのスクラム、そしてモールで勝ち取った勝利となりました。
【週ひがMVP】トンプソン・ルーク(FL)
今日の週ひがMVPは、みんな大好きトンプソン・ルーク!FWプレーの中心となり、局地戦でボールを死守しました。
※サイン色紙を読者プレゼントします。応募は記事の最後からどうぞ。
ー今日はMOMを取られました。おめでとうございます。
ありがとうございます、MOMは久しぶりです。僕はいつも通りプレーしただけです。今日はみんなよかったし、誰もがMOMです。
ーモールで攻めてのトライは久しぶりですね。
前の試合はモールのチャンスが少なかったです。今日はモールをたくさん使っていくつもりだったので、うまくいってよかった。
【週ひがピックアップメンバーの試合後】
樫本敦キャプテン(HO)
ー劇的な勝利でした。
後半に入ったリザーブメンバーが流れを変えてくれました。
ー今日もいいスクラムでしたが、何本目のスクラムで手応えを感じましたか
2本めくらいです。でも今日はボールを出させて、ディフェンスで止めようと話していたんで。
ー前半、相手が7人のスクラムでコラプシングをしてしまいました。
あそこはスクラムトライを取らないと。ただ、それを含めても全体的に勝てていたと思います。
田淵慎理選手(FL)
ーモール、素晴らしかったです。
先週の試合の反省点で、「モールを狙いに行ったら良かった」というのがあって。スクラムだけでなく、モールももっと使っていこうというプランでした。
ーキヤノンのスクラムは手強い印象でしたが、手応えは。
負けている感じはなかったです。ただ、相手のスクラムも強いので、モールにシフトしてうまくいったところはあります。
ー2トライめを奪われたときに、危機感はありましたか?
「まだ(気持ちが)切れたらあかん!」とキャプテンが声をあげ、持ち直すことができました。
井波健太郎選手(CTB)
ー今日の手応えは。
チームとしては、敵陣に入ると焦ってトライを取れないことが多かったです。でも、落ち着いたら点は取れるので、大丈夫だと思いました。
ーシンビンをもらってしまいましたね。
相手を見ずにボールを追ってしまいました。いけるかどうかわからないけど飛んで取りに行ったら… シンビンになってしまいました。
ーコンブリンク選手のトライ、すごかったですね。
僕はサポートに入っていなくて「しまった!」と思ったんですが、1人で取っちゃいましたね(笑)
王鏡聞選手(HO)
ー公式戦初トライ。おめでとうございます。
FWみんなで取ったトライです。何年か勝てていない相手だったので、やっぱり勝ちはうれしいですね。
ーラスト20分から、逆転に持ち込めたのはすごいです。
あの時間帯、早く得点しないといけなかったので、モールの選択肢しかなかったです。
【週ひがプレゼント】
週ひがMVPに輝いたトンプソン・ルーク選手のサイン色紙を1名様にプレゼントします。
応募期限は2017年9月15日(金)23:59まで。当選された方へのご連絡となります。どしどしご応募ください。
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