世はラーメン戦国時代。
近年のブームで、高井田系、二郎系、魚介系、家系、鶏そば系…など多くの系統・流派が生まれ、ラーメンは新たな日本食としての地位を築き上げました。
専門ムック本や評論家まで現れ、どの店舗が天下を取るのか、誰がおいしいお店に精通しているのか…全国のラーオタたちがしのぎを削る、まさに大戦国時代なのです。
そんな戦乱のなか、東大阪に集った若き侍たちがいます。その名も、「近大ラーメンサークル ええやん⤴︎」(以下:ええやん)です。
近畿大学(以下:近大)の学生が有志で集まり、2016年6月に立ち上げ。大阪を中心としたラーメン店で食べ歩き、ラーメン好きの大学生の輪を広げるべく活動しています。
ラーメン界の未来を予見すべく、彼らに密着取材してきました。
時刻は夕方、近大にて。
大方の授業が終わり、今日の晩御飯やバイトのことを考えながら帰宅する学生の流れに逆らい、学内に集まってきた「ええやん」のメンバー。
どうやら今日は、入会希望の新1年生もたくさんいる様子。
「初めて来たっていう人、手をあげてくださーい。ストレート麺のようにまっすぐに!」とエッジの効いた号令がかかり、班を分けていきます。
集まりは月に2回。活動内容は、文字通り「ラーメンを食べること」。大学のある日は東大阪~大阪近辺、休日は少し遠出して近畿圏のラーメン店へ食べにいくことも。大人数で一つのラーメン店には入りきらないため、数人に別れ各々が好みの店舗へ行きます。
そして今日の活動場所は布施。電車と自転車に別れ、布施に向かいます。記者ミホロボは自転車でついていくことに。
学生でにぎわう夕方の近大通りを抜け、北上。
いかんせん彼らは「今からラーメン食べるぜ!」と煮えたぎった情熱の持ち主。その熱いパトスが自転車をこぐエネルギーとなり、めちゃくちゃスピードが速い。単純に若いから元気なのかもしれませんが、アラサー記者ミホロボはそのスピードについていけず一人で汗だくだくに。
10分ほど走り布施に到着し、電車組と落ち合います。
布施から合流するメンバーもおり、気づけばかなりの大所帯。40人くらいでしょうか。
「いつもだいたいこれくらいの人数ですね。サークルなので、好きな時に来てもらえば良いですし。今日は女子は少ないけど」と話すのは代表の岡田昇大さん。
そう、ラーメンサークルって、なんとなく男ばかりのイメージがあったでしょ?
ところがどっこい「ええやん」の男女比率は6:4。ラーメン好き女子が想像以上に多いのです。かわいい女子さえも虜にするラーメン、恐るべし。
さて、班に分かれ各々ラーメン店に向かいます。
ちなみに今回は「細見商店」「二星らーめん ららら」「らぁめん たむら」など6~7店舗から選択。布施といえばここは抑えとけ的ラインアップ。さすがはラーメンサークル、ぬかりないチョイスです。
オーダーに決まりはありません。それぞれが食べたいと思ったものを頼む。それだけ。
「僕はラーメンを食べる時は、一緒にごはんを頼むことを提唱してますけどね(笑)」と意気揚々と話す岡田さん。
岡田さんは、言うまでもありませんが大のラーメン好き。高校生の頃から「ラーメン部」と称し友人と食べ歩き、「大学生になったらラーメンで何かしたい」と2016年にサークルを立ち上げました。
同じ学部の友人を誘うところから始まり、今や70人を超える巨大サークルに成長。
「塩元帥」でアルバイトするラーオタ、自作ラーメンを作る研究者などマニアックなメンバーのほか、「なんとなく楽しそうだから入った」というライトユーザーまで幅広い層がメンバーとなっています。
「いろいろな人がいるのが良いんです。ラーメンを機に仲間作りをしてほしい」と岡田さん。関西No.1のラーメンサークルに育て上げることが目標だと話します。同志社大学、関西学院大学、関西大学など他大学のラーメンサークルとも交流し、関西の若きラーメン侍の絆を深めています。
と、取材をしながら麺をすすっていると…。
「近大のラーメンサークルの方たちですよね?」と話しかけてきたのは「ららら」の店長さん。
近大通りのラーメン激戦区はもちろん、近辺の店舗からも注目され、顔が広い「ええやん」。
なんと、今秋近大で開催される学園祭では「麺や 清流」とコラボしたラーメン屋台を出店する予定とのこと。
もう、これはただのサークルじゃない。熱き魂をもったラーメン侍たちが、ラーメン文化を模索し、次世代に繋いでいるのです。
マニアックに探求するもよし、食べることを楽しむだけもよし。いろいろなラーメンの楽しみ方の実験場所、それが「ええやん」。
明日のラーメンは、この若き侍たちの手にかかっている!そんな可能性を感じた取材でした。
■近大ラーメンサークル ええやん⤴︎
活動場所・活動時間は公式Twitterをごらんください。
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