バンザーイ!
東大阪をホームタウンとするFC大阪が、J3リーグに参入する条件の1つである「Jリーグ百年構想クラブ」に承認されました。
Jリーグに参入したいチームがまず初めにぶつかるのが、Jリーグ百年構想クラブ。これを保有していないと、優勝したとしてもJ3リーグには参入できないのです。
簡単に言えば、将来その地域にサッカーが残るような活動をしているかどうか。きちんと地域貢献をして、愛されるチームになってね、ということです。
そもそもホームタウンが決まっていなければ申請すらできません。FC大阪は東大阪がホームタウンとなって1年4ヶ月。地域のイベントに参加したり、サッカースクールを運営したりと、努力を続けてきた結果です。
申請をしたのは、2019年11月26日。シーズンの途中でした。そこから90日かけて、Jリーグ理事会が書類審査やヒアリングをFC大阪だけでなく、東大阪市にも実施。その可否がわかったのが今日でした。
新しくなった東大阪商工会議所にて承認可否の電話を受け、その後記者会見が行われました。
FC大阪「Jリーグ百年構想クラブ」承認可否記者会見 https://t.co/tLHd7QNcCa
— 週刊ひがしおおさか(3/2は情報ノーサイド) (@w_higa) February 25, 2020
週刊ひがしおおさかでは、その様子をTwitterでライブ配信(可否の電話は20分12秒〜)。まるでプロ野球ドラフト会議のときに、電話が掛かってくるのを待っているときのような感じ。僕もめちゃくちゃドキドキしました。
電話を受け取ったFC大阪の疋田(ひきた)晴巳社長は、「相手の口調が少し暗かったのでまさかと思いました。厳かな言葉をいただいたので、『承認』という言葉をもらうまではどちらなのか不安でした。承認を受けてからは、ホッと一安心しました」と話します。
ただ、この承認はJ3リーグ参入への第1段階。FC大阪にはまだまだ課題が残されているのです。
課題1:J3ライセンスを取得すること
J3ライセンスには大きく分けて3つの基準があります。
(1)競技基準
・クラブ直営、または関連法人が運営する18歳以下の育成組織を保有すること。
これはすでにFC大阪U-18があるため、クリアしています。
・プロ契約は3人以上保有すること。
これもすでに3人以上いるのでクリア。
・トップチームの監督はJFA公認S級コーチ取得者であること。
現在FC大阪を率いている塚原真也監督はJFA公認A級。J3参入までにS級を取得すれば問題ありません。
(2)施設基準
・ホームスタジアムの収容人員は原則として座席(椅子)で5000人以上とする。
東大阪市花園ラグビー場第2グラウンドを5000人以上入るスタジアムに改修予定。ライセンス申請から4年以内にスタジアムを用意する必要があります。
・照明設備・常緑(常に緑色である)を保てる天然芝を常備すること。
スタジアム完成図を見ると照明がついています。花園ラグビー場は日本一の芝。「常緑を保てる天然芝」も問題ないでしょう。
(3)財務基準
・運営法人については、現在の株式会社、公益法人(社団法人・財団法人。公益・一般の種別を問わない)に加え、特定非営利活動法人(NPO法人)の参加も認める。
FC大阪は、株式会社FC大阪が運営しているので、ここも問題なし。
・年次財務諸表を提出し、Jリーグの審査を受けること。その際、債務超過、または3期連続の当期純損失(赤字)を計上していないこと。
ごめんなさい、ここはわかりません。
この(1)〜(3)をクリアし、6月30日までに日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)にJ3ライセンスの申請をする必要があります。同年の9月末までに可否が決定します。
課題2:Jリーグ理事会でJリーグ入会が承認されること
課題1のJ3ライセンスを保有した状態で、Jリーグ理事会にJリーグ入会の申請を行います。
ここで審査されるのが観客動員数。「平均入場者数が2000人」を超えているかが主な審査基準。他にも、年間事業収入1.5億円以上というのもあり、11月末までに可否が決定します。ここで承認が得られ課題3をクリアすると、無事J3リーグに参入できます。
課題3:年間順位4位以内かつJリーグ百年構想クラブを持つ上位2チームに入ること
課題1、2をクリアしたとしても年間順位で4位以内に入れなければJ3リーグに参入できません。さらに、Jリーグ百年構想クラブを持つクラブが4位以内に4チームあった場合、上位2チームしか上がることはできません。
現在、JFLに所属しているチームでJリーグ百年構想クラブを保有しているのはFC大阪を含め、以下の7クラブ。
東京武蔵野シティFC
テゲバジャーロ宮崎
FC大阪
ヴィアティン三重
ラインメール青森
奈良クラブ (※1)
いわきFC
(※1)奈良クラブは入場者数を水増ししていたため、現在は解除条件付き失格中。
FC大阪が確実にJ3リーグに参入するにはもちろん優勝。ですが、Jリーグ百年構想クラブを持つ他6クラブには必ず勝って4位以内を目指さなければいけません。
以上3つの課題をクリアしてようやくJ3リーグ。道のりはまだまだ長いですが、FC大阪なら必ず突破してくれるはず。1年で参入できるように、みなさんもバックアップしていきましょうね!
質疑応答
ー承認の電話が掛かってきたときの内容は?
疋田 「Jリーグの理事会で正式に承認されました。ここからがスタートラインで、まだゴールではありません。J3参入に向けて様々な課題がありますので、クラブだけではなく地域に応援されるクラブとして、地域と一緒に成長していってください。地域から応援してもらえるチームになれるように心がけてください。」という内容でした。
ー当初は16時頃に電話が来る予定だったが40分ほど遅くなった。今の心境は?
疋田 正直ホッとしています。大丈夫だろうと思っていましたが、万が一ということもあるので。承認の言葉をいただいたときは、様々なことが去来。そして非常に感慨深いものがありました。
ー今シーズンでJFL6シーズンめ。クラブの歴史を振り返って、今日はどんな日になったか。
疋田 素晴らしい日になりましたが、まだ道半ば。Jリーグの入り口に入ったばかり。大阪にはガンバ大阪、セレッソ大阪というビッグクラブがあります。両チームと肩を並べられるクラブになりたいです。
ーJ3ライセンス取得に向けてクラブに必要なことは?
疋田 短い時間の中(6月末まで)で、クリアすべき課題があります。それに向け僕たちは、「来年絶対にJ3に行くぞ」と思いながら、取り組んでいくのみ。チームとしては観客動員数、順位等の課題をクリアしていきます。あとは、Jリーグクラブにふさわしい組織づくりです。
ー東大阪に根付いていくためにどうするか。
疋田 僕らのやるべきことはまだまだ多い。地域貢献、市民とのふれあいの場をもっと増やしていきたいです。東大阪といえばFC大阪と言ってもらえるようなチームに成長していきます。
ーJリーグ百年構想クラブの承認を受けて東大阪市民に一言。
疋田 最初は我々の一方的な思いで東大阪に来ました。しかし徐々に東大阪のみなさんから「Jリーグのチームが誕生して、応援できるチームがほしい」と声がもらえるように。先が見えない中で、僕らは非常に勇気をもらえました。それにようやく応えることができました。ただ、まだJリーグに上がっていない。J3に上がってようやく達成できます。それには市民のみなさんの力も必要です、会場にぜひ応援にきてください。みなさんと一体となって、JFLを優勝してJ3に参入します。
ー東大阪にとってFC大阪はどのような存在か、またどのような存在になってほしいか。
市長 東大阪に根付きたいというチームがあって、私共はそれを請け負いました。東大阪に行ってみたい、住みたい、働きたい、学びたいとたくさんの方たちに思ってもらえるようにしたい。今回のJリーグ百年構想クラブの承認を得られたことは東大阪にとっても大きなことです。ホームタウンを請け負う東大阪として、私共も一緒にJ1リーグを目指していきたい。東大阪の目標が新たに1つできました。
ー昨シーズン多目的球技場(花園第3)で行われた試合が1番観客が多かった。FC大阪のファン、サポーターからの声は東大阪にどう届いているか。
市長 東大阪をホームタウンとしていることを、多くの人たちが認知してきています。贔屓のチームを応援するというのは、応援をする楽しみを東大阪市民は手に入れたということです。今年は花園第2で7試合開催予定で、多くのお客さんが来ることが予想されます。東大阪市民は育てる楽しみを持ちながら応援をしていきたいです。
ー今後、花園ラグビー場をどのように使っていく予定なのか。また第1グラウンド(1グラ)で試合をする可能性は?
市長 花園はラグビーの聖地。ただ、365日ラグビーをしているわけではありません。環境が許せば、J1の試合を1グラでできるように、東大阪市としても応援していきたい。
東大阪のみんさんに向けて、吉澤正登会長にもコメントをいただきました。
FC大阪吉澤正登会長より、東大阪のみなさんに向けてコメントをいただきました。#higao#FC大阪#Jリーグ百年構想クラブ#承認 pic.twitter.com/6Ff9aDUvAy
— 週刊ひがしおおさか(3/2は情報ノーサイド) (@w_higa) February 25, 2020
■FC大阪公式ホームページ:FC大阪公式ウェブサイト
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