自分が好きな本を7日間1冊ずつ紹介する「ブックカバーチャレンジ」。今回はミホロボットの番です。
地震が来たら本の雪崩で確実に死ぬ「本部屋」が存在する我が家。
そんな本まみれの私が、穴があくほど何度も読み返した1冊がこちら。
「愛するということ」。
ストレート!シンプル!
直球ど真ん中のむずがゆいタイトルの通り、「人を愛するとはこういうことさ」と読み手に語りかける内容です。
初版は1956年発行のロングセラー。多くの国でベストセラーにもなりました。Eテレの「100分de名著」でも紹介されたこともある、まさに名著。
一見敷居が高いように見えますが、英語のタイトルで一気に虜になりました。
「The Art of Loving」。
直訳すると、「愛することの技術」。
…えー!愛って技術なの⁉️むしろ愛と技術って対極にあるものの気がしますが、言い切っちゃってます。
「愛する技術を学んでいくことが大切」という一点突破で話は進んでいきます。
本との出会いは大学3年生のとき。ゼミの課題で原著を翻訳しました。
そこまで難解な文章ではなかったものの、キーになる「Art」の訳し方が曲者で、当時恋愛についてはお花畑脳だった私はなかなか苦労しました。
アート…芸術…そうか、愛は芸術。「愛することの芸術」や!
と、まったく見当違いに翻訳し、教授から「おいおい大丈夫かよ」と言われたことを覚えています。
人を愛するって直感とかフィーリングだよね!と、人生経験のない答えしかできない、真っ青だった自分。著者のエーリッヒ・フロムからゲンコツをくらったような気がしました。
「魂と魂でぶつからないと愛は習得できないぜ」って言うんです、フロムが。
松岡修造みたいなこと言うなよーとも思いましたが、確かにそうだ。本気で愛したいなら、本気で学ぶしかない。
そうそう、よく本は著者と読者の対話と言われていますが、まさにそれ。
フロムに「で、君はどう思うのかね」と聞かれ、20歳そこそこの若者が真剣に「愛ってなんなんや⁉️」と考えるきっかけになるって、すごくないですかフロム先生!
読んだだけで悟りがひらけることはありませんが、少なくとも私にとっては衝撃的な出会いになりました。
ということで、誰かを愛したい孤独なあなたも、人とうまくいかないあなたも、おすすめです。どっぷり思考の迷路に入ろうじゃありませんか。
3回目は再び前田編集長にバトンを渡します。
【ほかの本紹介はこちらから】
01 オールザットウルトラ科学 鹿野司
02 愛するということ エーリッヒ・フロム
03 山川出版社 世界史B用語集
04 誰も戦争を教えてくれなかった 古市憲寿
05 マンガは今どうなっておるのか? 夏目房之介
06 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっぴりブルー ブレディみかこ
07 中国五千年 陳舜臣
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