週ひがの好きな本をただ紹介する企画。今回はミホロボットが、タイムリーな本を取り上げました。
ブレディみかこの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっぴりブルー」。
ロンドンに住む著者が、息子の通っている中学校で日々起こることを書くエッセイです。
Yahoo! ニュース|本屋大賞2019のノンフィクション大賞を受賞している話題書で、ほかにも多くの受賞歴をもつ本作。
帯には「読んだら誰かと話したくなる 一生モノの課題図書」と銘打たれていました。小学校高学年くらいから読めるやさしい内容です。
タイムリーな本、と最初に触れたのは、ニュースで黒人差別問題が大きく取り上げられているから。
差別やカースト、多様性をテーマにしたこの本は、そんな「人と違うって何だろう?差別って何だろう?」を著者と子の学校での体験を通して考えさせてくれます。
子ども同士のケンカの顛末や近所のボランティア活動に参加した話など、そんなささいな日常から。
読んでいて思い出したのは、小学校で同じクラスになったA君のこと。
A君は最近では珍しい貧乏な家で育ち、「あいつん家風呂家にないらしいから臭いねん」ってたまに言われていました。いじめの対象になりうるでしょう。
でも彼はドッヂボールがクラスで1番強かった。
ドッヂボールが強いというのは小学生の中ではわりと重要で、スポーツができる者は尊敬されモテる対象なのです。(彼がモテているところは一度も見たことがなかったけど)
A君はその才能を発揮しまくり、「貧乏でいじめられる」というテンプレなことはありませんでした。
子どもながらに差別ってどこにでもあるなと思ったし、自分の行動でみんなからの目線を変えていくA君は大物だとも感じました。
本作もまた、ゴリゴリの差別反対を謳ったものではなく、誰しもが日常で触れる些細なトゲやトゲになりうるタネについて触れています。
そもそもなんで差別ってしてはいけないの?
差別はダメ、それはそうでしょう。
じゃあ、一歩踏み込んで、どうしてダメなのか。
人を傷つけてはいけないから。それも正解だけど、じゃあなぜ傷つけてはいけないのか。
答えはA君がもっているような気がします。小学生の彼はどう感じていたんだろう。
わかってるようでわかっていないことを考えるのって、難しいけど楽しい。
ということで読んでみてね、「ぼくはイエローでホワイトでちょっぴりブルー」。
【過去の本紹介はこちらから】
週ひがの好きな本をただ紹介する01/02/03/04/05
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