まだ見ぬ世界へ飛び立つぞ!サンコーさんの「ねじのロケット」を打ち上げる、インターステラテクノロジズを取材してきました

   

6月下旬、週刊ひがしおおさか編集長の前田は北海道大樹町にいました。民間ロケットを開発するインターステラテクノロジズ株式会社(IST)さんを取材するためです。
週刊ひがしおおさかでもたびたび登場する、サンコーインダストリー株式会社さんがスポンサーになっている「ねじのロケット」を見せてもらいました。

↑先日の記者会見の様子↑

サンコーインダストリーってねじの商社さんだよね?なんでロケット?
と思うかもしれません。
もちろん「携帯電話からロケットまで、ねじを提供する商社」という大義名分はあります。

実際にISTの1台のロケットには、2500本のねじが使われています。在庫棚にも、サンコーインダストリーや紀州ファスナー、日本鋲螺など東大阪ではお馴染みの面々を確認でき、
「ロケットに使われるねじを扱っている」
は正しいと言えます。

ねじの棚を発見!普通にモノづくりをしています。

ISTは、いわゆる「ホリエモンロケット」を打ち上げる民間企業。実業家の堀江貴文氏がメディアで発言し、注目を集めます。
打ち上げ時はテレビニュースにも取り上げられて、失礼な言い方をすれば
「よく失敗するホリエモンのロケット」
と言うイメージを待つ人も多いでしょう。
失敗する時ばかりニュースが取り上げたりもしますから。

インターステラとは「星と星の間」って意味。恒星間輸送を連想させる壮大な社名です。
そんなISTを率いるのは、社長の稲川貴大さん。学生時代には人力飛行機の飛行距離を競う「鳥人間コンテスト」に出場し、その筋では有名な人でした。

滝澤鉄工所のNC旋盤をバックに説明してくれる稲川社長。

「大学院を卒業したあとは、大手のメーカーに内定していたんです。でも入社直前の3月末に堀江さんに熱く口説かれちゃって。決心して、会社の入社式の前に辞めるって言っちゃいました(笑)」

技術者や愛好家の想いから始まった「なつのロケット団」というロケット打ち上げプロジェクトは、2003年に開始。当初は東京都内で活動して、徐々に成果を出しながら、ISTを設立して「宇宙の街」として関連事業に積極的だった北海道大樹町に本社を置きます。

発射場付近は見渡す限り荒野!これが大樹町が選ばれる理由でもあります。

国家予算クラスのコストが必要な研究と国家機密が集積していると思いがちな宇宙産業。しかし「そのイメージを変えたい。ゲームチェンジャーになる気でいる」と稲川さんは強く言います。
特別な技術ではなく、既存のありふれた技術で打ち上げることができれば、宇宙はビジネスになる。してみせると言います。

「ガソリンスタンドで購入するノリで」と液体燃料について説明してくれる稲川さん。

宇宙産業は、長く夢と希望で語られてきた分野ですが、今はもう少年が夢見るだけの存在ではありません。
GPSを始めとして、「こんな便利がやってくる」と人々の生活に直結する、具体的な産業になりつつあります。そこで重要になるのは、いかに安く宇宙へ行くか。

従来の宇宙産業と比較して、1/10のコストで作っているというノズル。

前回(6月に打ち上げたMOMO5号機)の打ち上げで失敗の原因になったと見られるノズルは、グラファイト製。
「従来のロケットは、CCコンポジットで作ることが多いのですが、これなら従来の1/10のコストです。」という言葉は、先端技術の「コストがかかることは当たり前」の世界ではなく、普通のビジネストークと同じ。東大阪のモノづくり企業でも「スペックとコストのバランスをとるのがビジネス」とよく聞きます。壮大な夢物語から、僕たちが普通に接する中小企業が扱うビジネスが、今目の前で展開されています。

別の棟には「DMG森精機」のマシニングセンタが。東大阪の現場でよく「導入したんだ!」って自慢されるあれ。

他にも工作機械を持ち「技術蓄積のためなるべく自社で制作する」と、タンクもエンジンも制御回路も胴体も自作します。できるものはなんでも作る。ロケット(商品)だけでなく設備(環境)も自分たちで作る。自分たちで作って、この分野を産業として確立させたい、ゲームチェンジャーになるんだ。

このタンクの隣には、来年に企画されているロケットの機材があり「新商品は撮影NGで」とのこと。

スタッフの求人も
「ピンポイントで必要な技術を持つ人を募集します」
というスタイル。今自分たちに必要な技術を持っている人を、サイトで公募しています。

そしてやってくるのは今まで日本の宇宙産業を担ってきた人材よりも
「なんか面白そうなことやってる」
と言うノリの、それぞれの分野でのプロフェッショナルな人たち。

失敗した2号機のTシャツ「俺達は今燃えているぜ!」とプリントして、販売したんだとか。

一つ一つの要素は、決して珍しいものでは有りません。「本社」も「工場」も「設計」も、東大阪の僕らが見慣れたものづくりの現場です。

「工場」がある建物。東大阪の機械メーカーっぽい雰囲気。

東大阪製のねじもいっぱいあるし、よく見る工具もたくさん。東大阪のモノづくりの現場と何も変わりません。ただ、ロケットを作っている1点以外は。

若江南町、紀州ファスナーの六角ナットを発見!

「宇宙に行く」という突飛に見える目標に向け、自分たちで1つずつ成功と失敗を積み上げて、繰り返しながら成果を出していく。
納期とコストと、安全性と、品質と。これはビジネスになるのか。リスクを取るべき事案なのか。日々見極めながら、目標にコツコツと近づいていく。
私たちと宇宙は地続きなのだと、現場が教えてくれました。

完成間近!てか今にでも動き出しそう。

サンコーさんがスポンサードした「ねじのロケット」は完成間近。
エンジンがつけば、見た目に何の問題もない。というところまで来ています。
打ち上げは「この夏に」ということで、前回のMOMO5号機が2020年6月だから…打ち上げ期間が1〜2ヶ月。とんでもない短期間で打ち上げることになります。

「ビジネスとして見ると、国家プロジェクトのように何年かに1回ってペースでは厳しい」という稲川さん。

僕らは勝手に「ロケットは時間がかかる」と思いこんでいただけかも知れません。これはビジネスなんですから、このスパンは当たり前なのかも。
そもそも、この「ロケットを打ち上げる」という事業はビジネスとして成立するものなんでしょうか。というか極端な話、スポンサーを獲得できたら宇宙に行けなくても収益は上がります。

頻繁にメディアに登場する「射場」には広告とPR掲示がびっしり。

しかしそれでは「ゲームチェンジャー」にはなれません。
現在世界には、衛生からの写真で市場を分析し、大手小売店に販売するロケット企業も存在するといいます。
安くて早いロケットで、宇宙から得られるものの単価を劇的に安くする。それがインターステラテクノロジズの使命であり、ねじのロケットがその一翼を担うことになります。

1台で2500本のねじが使われている。「ねじのロケット」がねじでできているっておもしろいね。

今まで見たことのない世界へ。
ねじを供給するねじの専門商社が、今いる場所と知らない場所に橋をかける。そもそもねじって2つのものをつなぐのが役割だ。そんな現場にいられた、素晴らしい取材でした。
打ち上げ、成功したら感動するだろうな。
稲川さん、ISTの皆さん。がんばってくださいね!

サンコーインダストリーの奥山社長もこの笑顔!打ち上げ楽しみです!

インターステラテクノロジズ株式会社
住所:北海道広尾郡大樹町字芽武690-4
電話:072-966-2266
アクセス:帯広空港から自動車で40分。
ねじのロケット特設ページ

 
編集長 前田

編集長 前田東大阪探検隊隊長・編集長

投稿者プロフィール

特定非営利活動法人週刊ひがしおおさか代表編集長兼東大阪探検隊隊長。
ふとした思いつきからはじめたWEBサイトが、13年。
これからは地域に嵐を呼びます。覚悟しろ!

好きなモノ:近鉄ライナーズ、阪神タイガース、競馬、ゲーム、プラモデル、楽でお金になる仕事。
嫌いなモノ:愛、本物

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