今をときめくイケてる大学となって久しい近畿大学が、2021年10月から展開する学内学生ラーメン店ベンチャー企画「近大をすすらんか」。
場所やハード面(厨房機器など)を大学が用意して、経営難度を下げて飲食ベンチャーのスタートアップを助けようという企画です。2021年10月にオープンし、このたび経営する大学生が卒業のため2代目にバトンタッチ。
4月1日からリニューアルということでレセプションに行ってきました。場所はEキャンパスの入り口付近、セブンイレブンの隣です。
「半年前までラーメン屋をやるなんて想像してなかった」
という総合社会学部総合社会学科新4年生の村上黎一郎さん。新型コロナ禍ということもあり「昨年夏にいざ就活準備と考えると、何もアピールできるものがなかった」といいます。
一念発起して準備をし、12月のオーディションで2代目店主に。4月から店頭に並ぶ新作「近大魚介塩まぜそば(500円)」が高評価を得たといいます。試食した週刊ひがしおおさか視点でも、他のメニューと比較しても高完成度。鶏肉が食べ応えアップ&塩ダレのバランス良し。聞けばバランス調整に相当の時間を要したのだとか。
学外でも価格次第では通用しそうなラーメンで、この味をリリースできる仲間がいるなら編集長前田も一安心です。
今後はアドバイザーで近畿大学OBであるTsurumen店主の大⻄益央さんに相談しつつ、15人くらいのスタッフさんでお店を回していくとのこと。この新メニューを作れるなら期待できそうです。
一方で、やはり心配なのは売上です。大学内の昼食は学食も含めてどこも500円まで。2021年10月、初代がスタートしたときには1杯800円前後で提供していましたが、ここ数ヶ月は学内客単価に合わせた600円までのメニューが中心になっていました。
さらに大学特有の長期休暇の多さもリスクになります。村上さんの当初計画でも想定営業日数は170日。年間の半分しか稼働できません。
味のクオリティでもブラッシュアップが必要です。近大前商店街にはびっくりするくらいおいしいラーメン店がひしめき合っています。価格面では学内と、クオリティでは学外と戦うことになります。
近大前にあるおいしくて安いラーメン店の実例↓
とはいえ家賃や水道代、厨房の初期投資を大学が用意してくれるのは大きなアドバンテージです。箱庭的にはなりますが、それがスタートアップにはプラスに働くことはよくあります。
村上さんたちがチームで1年をどう乗り越えるのか。そしてどんなラーメンで私たちを楽しませてくれるのか。事業難易度はスーパーハードモードからと言われるラーメン店の経営で、経営環境の変化を楽しむ。それが経営の1番楽しいところなので、1年間目一杯楽しんで欲しいものです。
最後に。アドバイザーの大西さんからもあったように、自分を助けてくれるのは簡単に得られるノウハウよりもより広範な教養です。せっかく日本有数の総合大学にいるんだし、まずは学業を第一に。気軽にでも真剣にスタートアップを楽しんでください。仲間がいるなら、大丈夫だと思うけどね。
入学式の日、店内はひとまず繁盛している様子。少し安心。
■近大をすすらんか。
住所:東大阪市新上小阪5-86 1F 近畿大学 BLOSSOM CAFE
営業時間:11:00〜15:00
定休日:土曜日・日曜日 ※かならずSNSを確認ください
SNS:Instagram、Twitter
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