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- 20点差はなんの差か ライナーズがブラックラムズとの第46回定期戦で克服した弱味と突きつけられた長年の課題
22-42。20点差。
我らが花園近鉄ライナーズとリコーブラックラムズ東京との第46回定期戦が11月27日東大阪市花園ラグビー場にて行われました。
定期戦というのは、ラグビーや野球などスポーツにおけるライバルが、定期的(だいたい年1回)に行う公式戦とは別の文化。
ラグビーなら早稲田大学と明治大学の「早明戦」がよく知られていますでしょうか。関西大学と関西学院大学の間には、学内の多くの体育会系クラブが対抗戦を行う「総合関関戦」なんて伝統もあります。
だいたいの定期戦はやってるうちにお互いの力関係が変化しちゃって、続けられなくなる。やろうって決めた時は似通った実力でも、どちらかが強くなりどちらかがそうではなくなる。それでも続けている例はあるけど、それはもうよっぽど。だから、46年も同じ対戦を続けられるなんて奇跡に近い。特に学生ではないカテゴリでは。
ちなみに週ひが最古の定期戦の記事は↓
昨年の定期戦は、ブラックラムズの本拠地である東京都世田谷区にある砧グラウンドで行われました。
結果は0-36。定期戦で初めて0点で敗北したことよりも、スクラムでの敗北と接点での圧倒的不利そして、プラン通りに試合を運べない時の脆さが露呈したことが印象に残ります。ただただ、ライナーズがトップリーグから離れている期間の長さを感じました。
昨年の定期戦はこちら↓から
今年の結果はどうか。公式戦ではないので、試合の流れには目を瞑った方がいいでしょう。まずはコンタクト。戦前より中盤でのぶつかり合いが激しくなると予想されていましたが、想定よりも本気のそれ。強いブラックラムズのランナーに対し、的確で早いタックルで前進を阻ました。
もう一方の課題「スクラム」でも、昨年の惨敗とは違う互角の戦い。若い三竹が組み勝つシーンもあり、安堵まではいかないものの成長を感じます。ただ「誰が出ても強い」とまではいきませんでしたが。
では今回の失点の要因は何か。まずはペナルティの多さ。オーバーザトップのペナルティから自陣深くに攻め込まれ、モールでゴールラインに迫られることも1度2度ではありません。それでも、モールディフェンスではよくがんばった。
次いで良くなかったのはラインアウト。取られることも、まっすぐ入らないことも、ジャンパーとスロワーが合わないことも試合中を通じてずっと。マイボールラインアウトがチャンスにならず、相手ペナルティで敵陣に入ってもトライには結びつきません。
昨年出た課題を改善したら、それ以前から長年積み上がっていた問題が顕在化したのです。なんか普通の仕事と一緒。まだまだ道は長いですね。
一方で、失点は課題の表出だったものの得点は希望を持てるものでした。
特にファーストトライは圧巻。敵陣でクーパーとゲニアが芸術的なループパスで数的優位を作ると、右1番外の木村にパス。タッチラインギリギリ右隅に飛び込みながらグラウンディングするスーパープレーにスタンドから大きな拍手が起こります。
2本目は後半、大黒柱のクーパーとゲニアが下がったあとの粘り強い攻めからでした。ワクァやトムソンが要所で前に出てプレッシャーを与えると、FWとBKが一体になってミスなく連続攻撃。ついに右に余ったジョシュアにつないでトライをもぎ取ります。
3本目のトライも粘って攻めてジョシュアがフィニッシュ。
4本目は大差がついた試合終了間際。自陣から3分以上攻め続けペナルティを奪い、全て速攻で前進しついに左端にトムソンがグラウディングしました。
どのトライも若い選手たちがプレーに参加し、スター選手たちに違わぬスキルやスピード、そして気迫を見せた結果です。
トライを取る絵は見えてきた。ディフェンスをがんばれる時間も確かにある。月並みですが、80分の中で悪い時間をどうやって減らすのか。精神的な何かなのか、スキルの向上なのか。開幕まで1ヶ月足らずのなかできることは限られています。
とはいえ、自分を振り返り時間軸で比較することができるのが定期戦。長く続き、多くの人がこれを待ち望む存在になってほしいものです。
この敗北で、対戦成績は20勝24敗。ここまで拮抗してきた歴史を、今のライナーズが次の世代に引き継いでいく義務があるでしょう。
まずは来年から連勝し、2025年の第50回定期戦にも勝って5割に戻すことを目標にしましょう。
次回は12月4日(日)、東大阪市花園ラグビー場にて清水建設江東ブルーシャークス戦。13時キックオフです。今度は入場無料!
この試合の模様は以下のYoutubeから。週刊ひがしおおさか編集長前田が進行を担当しました。
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