3月7日に2017関西セブンズフェスティバルのプレスカンファレンスへ行ってきました。
セブンズとは、7人制のラグビー。昨年のリオデジャネイロオリンピックから正式種目に採用され、日本代表はニュージーランド代表など世界の強豪を撃破し4位に食い込みました。その関西版が、4月1日(土)2日(日)に鶴見緑地球技場で行われます。
「日本でラグビーブームが起こるとすれば、セブンズからだろう」と多くのラグビーファンが考えていました。2015年のワールドカップで南アフリカに勝つまでは。15人制と同じフィールドを7人でプレーするセブンズは、スピード勝負。肉弾戦は少なく、広いグラウンドを走りきる走力が重要になります。
スピード重視のセブンズなら、体格に劣る日本人でも勝負になるはず。15人制に比べて番狂わせも多く、日本が強豪に勝つ姿がテレビで流れれば、たくさんの日本人がラグビーの魅力を感じ取ってくれるだろう。それがオリンピックならなおさらだ。
ファンがセブンズに期待するのは、こんなロジックからです。
セブンズは「バックスの7人だけでやっている」と形容されるラグビー。想像力豊かなパスや、華麗なステップから一気にトライが生まれ、わかりやすくてエキサイティング。オリンピック種目になったのも「開催期間が短くわかりやすいので普及につながるから」と言われています。
そんな位置づけからか、セブンズはエンターテイメントとしての色合いが強く、食と音楽と結びついています。世界で最も人気のある「香港セブンズ」は「ラグビーを観ながら開催される音楽ライブ」と呼ばれるほど。4万人を超える観客が3日間、コスプレをして音楽とラグビーと食とお酒でお祭り騒ぎします。
関西セブンズもそれに倣っています。スポンサーの協力のもと、音楽を流して、飲食ブースを用意し、スピード感あふれるプレーをツマミにしてもらおうと。もちろん本場のように大盛り上がりとはいきませんが、日本国内のセブンズ大会では最もセブンズらしい雰囲気。入場無料でふらっと気軽に楽しめます。
課題も多くあります。セブンズは朝から夕方まで同じように7分刻み(前後半それぞれ7分)で試合が行われるため、飽きが来るのも早いのです。スタジアム内外が連携して「試合を観ていなくても楽しい」を実現しないとリピート率は上がりません。今まで眉間にシワを寄せながらが普通だった日本の観戦スタイルとは、相容れません。
もうひとつ、プレーヤーはセブンズに魅力を感じているのかということ。もちろん代表クラスはセブンズに合わせた調整をします。が、カテゴリが下がればそれは稀。15人制をやるためのチームがセブンズに労力を割くことは難しく、セブンズの練習をほぼせずに関西セブンズに挑むチームが過去にありました。
昨日の記者会見でも、学生ながら日本代表に選ばれた2選手から「チーム内にセブンズ代表を目指す人はあまりいない」と発言がありました。
「15人制の普及のためにセブンズがあり、ピックアップされた15の選手が7をやる。」
というのが現状で、競技として自立は出来ていません。
誤解を恐れず言うなら、セブンズは15人制のために存在しているのです。
見ていても楽しいセブンズ。もっと普及して、トーナメントが行われたり、プロプレーヤーが誕生したりと夢見てしまいます。「少ししっかりした草ラグビーの大会」くらいのレベルのものが、学校のグラウンドで他のイベントと一緒に行われるようになれば。
それこそ、東大阪市民ふれあい祭りで小さな大会が行われたりすれば。
身近なところにセブンズがあって、そんなモデルを東大阪で花園中心に作り、市外にも発信すれば、ラグビーを楽しむ人も増え、セブンズを単なる普及のネタとして消費することもなくなると思うのです。
ともあれ、関西セブンズはそんな大きな流れに関わるかもしれない、意味のある大会です。鶴見緑地は東大阪からも近いので、ぜひおいしいグルメを目当てに行っちゃいましょう。
休日のおでかけとして、たぶん楽しんでいただけると思います。
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