ラグビーの話01 ラグビー日本代表とサンウルブズについて
- 2017/3/1
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先日、ラグビーにそんなに詳しくない人とラグビーの日本代表の話をしていたとき。「山田章仁が日本代表なのか」と言う話題になりました。
厳密に言うと、
「奥さんがモデルのあの選手は…」
だったのですが(笑)
五郎丸歩選手が海外移籍して、ほぼ露出がなくなっている今、もっとも目にするラグビー選手が山田章仁選手ということでしょう。
多くの非ラグビーファンの方は、当然日本代表だと感じているのではないでしょうか。
ラグビー日本代表は基本的に6月と11月にしか試合をしません。4月から5月に行われるアジアラグビーチャンピオンシップに参加するのは、若手主体です。
世界の強豪国も、この2ヶ月は代表活動期間。北半球と南半球の国が一斉に対戦しあうのです。
今年の6月の日本代表は、日本国内でルーマニアと1試合、アイルランドと2試合を行う予定です。
日本ラグビーは今激動の最中にあり、それは代表の仕組みにも当てはまります。昨年から就任したジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(監督だと思ってください)は「理想を言えば、日本代表はサンウルブズから選びたい」と言っています。
このサンウルブズが、日本ラグビーの激動を象徴しています。世界中にたくさんあるラグビーのリーグの中で、最もレベルが高いのはスーパーラグビー。ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカなどのラグビー強豪国のクラブチームが集う、国際リーグ戦です。
そんなスーパーラグビーに昨年から参入したのが、日本のサンウルブズ。日本代表資格を持つ選手を中心にメンバーを構成し、2月から8月まで長期のリーグ戦を戦っています。
1チームだけ北半球のチームとあって、移動は超長距離。さらに、日本は参加する国の中で世界ランクが飛び抜けて低いため、世界的に賛否が分かれるなか、昨年は1勝13敗1分。今年も2月25日に初戦を迎えました。スーパーラグビーの所属チームは、クラブチームと言ってもナショナルクラス。上位は強豪国のナショナルチームよりも、確実に強いと言われます。
サンウルブズのスーパーラグビー参戦の最大の目的は、日本代表の強化。所属する選手も「日本代表に準ずる」とされます。
さて、長々と説明して来ましたが、文頭の山田章仁選手の話に戻ります。
結論的に言うと山田選手は、今年はサンウルブズのメンバーではありません。昨年はサンウルブズに参加し、リーグの(スーパーラグビー全体の!)トライ王争いをするなど実力は折り紙つき。しかし今年はまだメンバーではありません。
では、山田選手が日本代表ではないのか。と言うと、そうとも言い切れません。日本代表は基本的に6月に活動するからです。山田選手がサンウルブズに参加していないのも、家族との時間を優先させるためとのうわさもあります。他にもリーチやマフィなど、サンウルブズより強いチームでプレーする選手をどうするのか。
端的に言えば
「6月になるまでわかんねぇよ」
なのです。しかし、常に代表が活動して、国内リーグと並行して試合をこなすサッカーの日本代表のスタイルが一般的である日本では、ちょっとだけわかりにくいかもしれません。
そんな世界の常識を、よく知らない人たちに伝えていくのが私達週刊ひがしおおさかの幸せでもあります。
今から22年前の1995年。ラグビーワールドカップ南アフリカ大会で、日本はニュージーランドに145-17と大敗を喫しました。
と同時に、人気競技の座を明け渡し、長い低迷に入りました。
しかし、そこから日本ラグビーは変わり続けました。トップリーグの創設をはじめ、様々な変革を試み、
たくさんの失敗を繰り返しながら、ようやく、世界の強豪と同じステージで戦うまでに至りました。
その象徴が一昨年の南アフリカ戦勝利であり、サンウルブズのスーパーラグビー参入です。
強豪とも互角に闘うサンウルブズや日本代表を見て
「ラグビーって楽しいな」
と思える人が増えれば、何よりも幸せなことです。
ラグビーワールドカップ、サンウルブズ、日本代表の躍進。
ラグビー選手をバラエティ番組で見かけ、海外移籍がニュースになり、奥様がテレビ出演する。
そんな激動の日本ラグビーの端っこにでも、関われている自分たちを誇りに感じ、また緊張もする。
そんな幸せを噛み締めつつ、楽しんでいけたらなと思っています。
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コメント
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厳密にはスーパーラグビーはクラブチームによるプロリーグではなく地域代表チームによるプロリーグです。
このようなプロ化した地域代表チームのことをラグビーの世界ではsuper clubと呼んでいます。
super clubの傘下地域には多くのクラブチームと登録選手が存在していて、その中から優れた選手を選抜し、プロ契約を結ぶという形態です。
ちなみに、欧州のPro12もsuper clubによる大会になります(ローマ地域のsuper club参入計画が頓挫した代替で参入したベネトン・トレヴィーゾだけは普通のクラブチームです)。
サッカーのフォーマットに慣れ親しんでいる向きには違和感がある形態かもしれませんが、例えば、クリケットなども地域代表チームの大会をプロリーグ化している場合が多いです。
(注意)イングランドのpremiershp やフランスのTop14は、普通のクラブチームによるプロリーグです。
ご教授ありがとうございます。
話題を簡単化するため、諸々説明しきれていないのですが
ワールドクラスな概念もボチボチ話題にしていければと思います。
今後とも宜しくお願いします。