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- シーズン振り返り!ライナーズ坪井監督インタビュー 【前編】
坪井ライナーズ1年目、「MOVE FIRST」をチームスローガンに掲げてトップリーグを戦いましたが、残念ながら順位は大きくダウンし16チーム中13位。厳しい結果となりましたが、毎年恒例のインタビューを行い、シーズンを坪井章監督に振り返ってもらいました。
◆まずは、今シーズンの総括を◆
— 坪井監督、監督一年目のシーズン、お疲れ様でした。
坪井監督 タフなシーズンでした。1年目はいろんなことがあると覚悟はし、突っ走りました。たくさんの人に支えられたシーズンだったと思います。
— シーズン開始当初から「打倒トップ4」を掲げておられました。常に挑戦し続けたシーズンだったのですが、結果として順位は振るわなかった。けが人の多さにも苦しめられたという印象が強いシーズンでした。
坪井 基本的には、準備をしっかりして想定外をなくそうとしています。しかし、あらためてコンタクトスポーツであるラグビーの、しかもトップリーグで戦力を整えて戦い続けることが、本当に難しいなと感じました。
— 監督が思い描いていたチームのかたちは、どのようなものだったんでしょう。
坪井 トップ4のチームはそうそうたるキャップホルダーがそろっています。ライナーズがハードワークして、その差を埋められるのはフィジカルやフィットネス。そこで上回り、インパクトプレーヤーがこじ開ける、といった展開をイメージしていました。
— トップ4とでもやりあえるだろうと。
坪井 昨年、前田前監督も示してくれたかたちです。スピースとデアリエンディは抜けましたが、代わりにジーン・クックとクリス・サウティアに期待していました。
— ハードワークが積み上げる部分、新外国人選手が補う部分ですね。
坪井 そこにプラスして、スクラムにこだわりました。具体的な近鉄の武器を作りたかったので。
— カンバランドコーチを招聘(しょうへい)しましたね。おかげで、スクラムが強みにまで成長しました。
坪井 スクラムを武器に戦うヤマハ発動機を相手に、押し込むシーンもありました。チームの強みになったと思います。スクラムで優位に立ち外国人選手を追い風にしてと考えていました。
— 強くなったスクラムですが、シーズン序盤にはなかなかレフリーとのコミュニケーションで苦労しているシーンもあったように思えます。
坪井 そこは、今までの近鉄にないスタイルですし、時間をかけて作り上げないと。ヤマハ発動機やサントリーだって、スクラムが強いとラグビー界で印象づけるのに3年も4年もかかっています。
— そのヤマハ発動機戦も含め、シーズンを通してもっとも印象に残っている試合はありますか。
坪井 初戦のサントリー戦です。前年ライナーズが勝って、サントリーは沢木さんがHCになって、前評判も良かった。開幕戦だし、間違いなくここにフォーカスしてくるだろう、これ以上ない覚悟で来るだろうと感じていました。結果1点差で負けましたが、その後はすべて圧勝したチャンピオンチームを、あそこまで追い詰めたことは自信にしたいですね。ただ…悔しかったです。
— 逆転を許したトライもTMO(ビデオ判定)の結果です。
坪井 本当に悔しい試合ですね。
— 他にも「勝てていないがいい試合」が多い、悔しいシーズンでした。
坪井 秩父宮でのクボタ戦(第5節)も、印象深いですね。トップリーグの公式戦では私が現役時代に勝って以来の秩父宮での勝利。弾みにしたかったのですが、このゲームでテイラーとクック、宮田をケガで失いました。
— けがの多いシーズンでしたが、その分たくさんの選手を試合で見られたので、楽しさもありました。
坪井 春からなるべく多くの選手を使って、ベースアップを図っていました。クボタ戦の次のトヨタ自動車戦は、けが人の影響もあって若手中心のメンバー。そこで互角以上に戦えました。トップ4と遜色のないチームにあの戦いができたのは、収穫でした。
◆若手の評価・期待◆
— 反面、若手を使わざるを得なかったとも言えます。ルーキーの野口選手などは、ある程度成長を見越しての起用だったのでしょうか。
坪井 野口のデビュー戦は、先述したクボタ戦ですね。チームにけが人が出て、本職ではないFB(フルバック)での出場でしたが、あの試合をみて、トップリーグでも大丈夫だと感じました。
— 野口選手は途中から「よく考えたら、新人なんだよな」って思ってしまうほど、チームに無くてはならない選手になりました。
坪井 新人でトップリーグ10試合出場はすごいことですね。彼にとっても、これ以上ない経験ができたと思います。他にルーキーでは田中(健太)です。ライナーズに入ってからPR(プロップ)に転向して、いきなりトップリーグデビュー。これからが楽しみな選手です。
— 若手が輝いたシーズンですね。ほかに印象に残った選手はいますか?
坪井 シーズン終盤に辻が抜群でした。もう、若手と言っていいかわかりませんが(笑)
— ヤマハ発動機戦や豊田自動織機戦は、すごい仕事量でした。タックルに行って、サポートに行って、またタックルに行って、ボールを持ったらゲインして…と。
坪井 ボールキャリーはもともといい動きをします。そしてサポートプレーの質がいい。クリーンアウトもいい。自分が何をすべきかわかっていました。
— このあたりは、春のNZ留学の成果なんでしょうか。
坪井 その経験は大いに生かされていると思います。
— 田中選手、辻選手とFW(フォワード)の選手の話題が続きました。BK(バックス)では、いかがでしょうか。週ひが的には、島選手の活躍がうれしかったりしたのですが(笑)
坪井 トヨタ自動車戦、リコー戦とすごいプレーを連発しましたから、もちろん期待しています。ほかにないスピードを持つ選手ですから、彼の強みをまず見ていきたいですね。他にもBKでは、宮田が非凡なセンスとリーダーシップの良さを見せました。
今回は、シーズンの振り返りが中心のインタビューでした。明日の後編では、もう少し未来の話をお届けします。
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