高校ラグビー選抜大会準決勝、桐蔭学園が劇的トライで決勝戦へ！奈良県勢対決は御所実が制す

「桐蔭学園エグかったな！今日本当に準決勝？決勝並みの熱さじゃない？」
明日のあいさつ替わりの一言はこれに決定！

4月6日(土)、第20回全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会(選抜大会)準決勝が埼玉県・熊谷ラグビー場にて開催され、白熱の2試合が行われました。
優勝候補の桐蔭学園が近畿大会王者の京都成章と対戦し、ロスタイムに逆転トライをあげて1点差で勝利したのです。
さらに選抜史上初の奈良対決になった御所実業対天理は、こちらも1点差で御所実業が辛勝。両試合、「接戦」では言葉が足りません。
興奮しまくりの準決勝を、ダイジェストで振り返ります。

ロスタイム、10伊藤のグラバーキックを追いかけ逆転トライをもぎ取った6久松。喜び叫ぶ桐蔭学園。

全試合ダイジェスト

御所実業22-21天理
前半10-7
奈良県勢のライバル校同士が準決勝で衝突しました。選抜大会での対戦は史上初。
強い風が吹く中、御所実業が風上で試合は始まります。先制は風を味方につけた御所実業。キックでエリアを獲得し、22m内中央に作ったラックから右へ大きく飛ばしパス。1番外の11安田につながり、内でフォローした3下田にオフロードパスでつなぎトライを奪います。コンバージョンは外れて5-0。

その後も優勢に進める御所実業ですが、天理も粘り強くディフェンスし、追加点を与えません。ディフェンスからエリアを挽回する天理は、16分にハーフウェイラインのマイボールラインアウトから9山脇がパスダミー。御所実業ディフェンスに穴ができると、自ら50m以上を走ってトライをあげます。難しいコンバージョンも決まって5-7と逆転します。

25分、天理にミスが出ます。自陣マイボールラインアウトでファンブル。乱れたボールを御所実業4平井が奪って左隅に走り込みトライを返し、10-7。コンバージョンは外れますが、御所実業が逆転に成功します。

一進一退の前半。後半に入ってすぐにスコアしたのは天理でした。3分、敵陣22m上のマイボールスクラムから左へ回し、サインプレー。一旦後ろのボールを回して後方から11豊田がディフェンスのギャップに走り込みそのままトライ。コンバージョンも決めて10-14と再びリードします。
さらに6分、天理は3中山が再三ゲインして敵陣深くへ。展開すると15本田が後ろからディフェンスの間を走りトライを奪います。コンバージョンが決まり、10-21と突き放します。

しかし、御所実業も盛り返します。11分に11安田がハーフウェイライン付近からステップでディフェンスを翻弄して独走トライを決めると、リスタートのキックオフから15石岡が80m以上を独走。連続トライで22-21と逆転します。

試合をひっくり返されたものの、時間はたっぷりある天理。3中山も突破も再三見られ、敵陣でプレーしますが御所実業が辛抱強くディフェンスします。
何度もゴールラインに迫りますが、徐々に時間は経過し、最後は天理のノックオン。白熱したレベルの高い戦いは、1点差で御所実業が勝利しました。

桐蔭学園21-20京都成章
前半7-17
選抜大会3連覇を狙う関東王者桐蔭学園と、近畿王者の京都成章。
風上でスタートした京都成章は、序盤からゲームを支配します。桐蔭学園にボールが渡ってもすぐさまタックルで阻止し、反則を誘います。
5分、京都成章は相手のノックオンに素早く反応すると拾って7延原が左中間にトライ。10辻野がGを決めて0-7とします。

連係ミスやハンドリングエラーが相次ぐ桐蔭学園でしたが、粘り強く連続攻撃。14分に密集から9亀井が抜けてトライし、同点に。

しかし、桐蔭学園を波に乗らせない京都成章。固いディフェンスでピンチを切り抜けると、さらに1本とPGを決め、7-17で前半を終えます。

ようやく桐蔭学園の体が動くようになってきたのは、後半も中頃。
パスがつながり始めると、次第に前へ。後半15分には14秋濱がトライし、追い上げます。

14-20の京都成章リードで迎えたロスタイム。
桐蔭学園は敵陣10mライン付近のマイボールスクラムから左へつなげ、キャプテン10伊藤がグラバーキック。自ら追いかけインゴールへ飛び込みます。ボールに手が届かなかったものの、後ろから追いかけていた6久松が抑え中央へトライ！19-20と1点差に。
最後は中央のGを12桑田が決めて、21-20で見事逆転勝利を収めました。

10伊藤は劇的なトライシーンについて振り返ります。「この判断は100点だったと思います。自分で取りにいこうとしましたが、思っていたより真っ直ぐ蹴ることができませんでした。そのスキルがまだまだだな、と。」

前半の京都成章ムードを吹き飛ばすかのような、関東王者・桐蔭学園の意地の勝利。
桐蔭学園藤原秀之監督は「今日は京都成章のゲームでしょう。うちは、ボールをパスされる時にセットできていなかった。最後の5分でようやく収まり始めました」とゲームの評価を述べました。