東大阪市にホームタウンを置き、J3リーグ参入を目指す日本フットボールリーグ(JFL)所属のFC大阪。
9月30日(金)JFL第20節が行われ、アウェイ・橿原公苑陸上競技場で奈良クラブと対戦しました。

平日にも関わらず1,269人が集まった橿原公苑陸上競技場。

結果は0-5の今シーズン最多失点での敗戦。13勝4敗6分で現在の順位は暫定2位です。
※試合数が少ないチームもあるため、順位は暫定。

試合映像(全編)はこちら。

試合終了後、「我々のアイデンティティが証明されてうれしい」と、何度も口にしていたのが印象的だったのは、勝利を収めた奈良クラブのフリアン監督。

JFLで唯一の外国人監督(2022シーズン)のフリアン監督。

一方、敗れたFC大阪の塚原真也監督は、「ダービーでこの点差はめちゃくちゃ悔しい。J3に参入するのは簡単じゃないと選手たちと再確認しました」と、目を赤くして悔しさを滲ませます。

「目の前のゲームをとにかく勝つだけ」と塚原監督。

9月3日(土)に雷雨中止となった試合の再試合。奈良クラブとの試合は「阪奈ダービー」(生駒山ダービーとも)と呼ばれ、選手だけでなくサポーターもいつも以上に熱くなります。

試合前の順位はFC大阪が勝点45で2位、奈良クラブは勝点39で3位。
奈良クラブは前節ヴェルスパ大分に敗戦し、13試合ぶりの黒星。一方のFC大阪は7連勝中(試合前)で迎えたダービーマッチでした。

FC大阪のスターティングイレブン。

奈良クラブとしては今シーズン最多の5得点。ここから再び勢いづくかもしれません。一方、連勝がストップしてしまったFC大阪は、次節以降この負けを引きずらないことが大切です。

まさかの5失点に、表情が曇る選手たち。

「早い時間に失点し自分たちのサッカーができなかった」と、塚原監督。
その言葉どおり、0-5でまさかの完敗。FC大阪は自分たちのサッカーがさせてもらえず、シュートも前後半で5本のみに留まります。

「中止となった前の試合で奈良クラブにボールを多く持たれたので、ポジションを変更するなど対策を取りました」と塚原監督。
この試合では、ボールを奪ったら前線に縦に早く繋げることを意識していたと言います。しかしそれが仇となり、失点へとつながっていったのです。

後半にFWエフライン・リンタロウなどを投入し、ゴール前まで迫る場面はあったものの無得点。

クリアボールやパスをほとんどカットされ、FC大阪が前線に縦に早く繋げたいと思っていたところを、再び攻め込まれての連続でした。攻撃よりも守備時間のほうが長かったでしょう。

「クリアするときに、隣にフリーになっている選手がいたのですが、縦への意識が強すぎてそこをカットされてしまいました。もっと落ち着いてプレーさせるべきでした」(塚原監督)。

失点後、なかなか立ち上がることができないGK永井建成。

「FC大阪はセットプレーも強いし、ロングボールにも強い。セカンドボールを拾えるように意識し、それが試合でしっかり出せました」(フリアン監督)。
強みとしているセットプレーが封じられ、早いプレッシングにも対応され、奈良クラブへの対策も封じられ、FC大阪は手も足も出ませんでした。

今シーズン最多失点はメンタル面にも多大な影響があるでしょう。しかし残りは7試合。下を向いている暇はありません。現在11勝4敗6分の勝点45で、首位HondaFCと勝点差で並ぶJ3参入圏内の2位。優勝争いもできているんです。さらに次節以降は上位チームとの対戦を控えています。10月2日からは栃木での国体にも出場予定です。
ここ2シーズンはラスト5試合くらいまではJ3参入争いをしていて、そこから連敗し参入を逃してきました。今年こそは違いを見せてくれ。そのためにもまずは国体で優勝して、再び勢いを取り戻すんだ！

頼むぞ、坂本修佑キャプテン。

今こそ、FC大阪の真価が問われるときかもしれません。

この試合の公式記録はこちら。