FC大阪吉澤会長にインタビュー3 吉澤会長が考えるFC大阪の理想像

   

2月25日(火)に「Jリーグ百年構想クラブ」の承認を受けたFC大阪。
今年度の日本フットボールリーグ(JFL)で「4位以内かつJリーグ百年構想クラブを持つ上位2チーム」「年間入場者数30000人」をクリアし、Jリーグ理事会で入会が認められれば、J3リーグに参入できます。
今シーズンは東大阪市花園ラグビー場第2グラウンドでも7試合ホームゲームを行う予定です。

2回に渡ってお送りしてきたFC大阪のトップ吉澤正登会長のインタビューも今回でラスト。吉澤会長が考えるFC大阪の理想像について聞いていきます。
インタビュー1はこちら
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ー今までとは一味違うスポーツビジネスとクラブ経営。なかでも最も重要なことは何だと感じていらっしゃいますか?

吉澤会長 発信力ですね。クラブが発信力を持ち集客すれば、スポンサー収入にもつながっていきます。そうやって得た資金や人気は、最終的にはクラブの成長にもつながります。

昨シーズンの花園での試合後には、インタビューに応じていただきました。

ー多くの人に見られてこそ、クラブやチームが成り立つ。

吉澤会長 メディアによってクラブの価値が変わります。そして選手も、メディアに取り上げてもらうことによって自分の価値を高めていく。

ーそういえば、FC大阪は地域メディアを初めたり、動画配信など情報発信に積極的ですね。
※新型コロナウィルスの蔓延に合わせて、さらにYoutubeでの動画配信ペースが上がっています。

吉澤会長 FC大阪が地域のプラットホームにならなければと考えているんです。
例えば、クラブにスポンサードいただいている企業様を、地域の皆さまに紹介したり。企業様とメディアの皆さんをつないだり、スポンサーを紹介するという立ち位置も必要です。

ーFC大阪が地域社会のハブになる。クラブが潤うことと地域が発展することが、同一だということですね。

吉澤会長 クラブとはそういうものなんです。地域の活性化に貢献することが、クラブの役割ですから。

ーJリーグ規約にも「ホームタウンと定めた地域で、その地域社会と一体となったクラブづくりを行うこと」と書かれています。

吉澤会長 クラブは街の公共財だという考え方があります。例えば、スペインのFCバルセロナであったり、レアル・マドリードのオーナーはクラブ会員のなかから投票で選ばれるんです。クラブは街の公共財だという考え方ですね。
私自身も会長職をいつまでもやるつもりはありません。

ーそれは思い切ったお話ですね。

吉澤会長 オーナーを1人にするのではなく、何人かがオーナーになっても良いとも思います。チームを街の公共財として。実際に、FCバルセロナやレアル・マドリードのオーナーはソシオ制度(※1)を導入していて、選挙で決められています。

(※1)ソシオ制度・・・サッカークラブをクラブ会員の会費によって支える運営方法。会員はクラブに対してお金を支払い、その代わりにクラブ運営(会長を決める選挙の投票権など)に参加できる権利が与えられます。

ー日本でソシオ制度を導入したクラブとなると…相当先進的な取り組みになりますね。目に見える、今後数年の目標は描かれていますか?

吉澤会長 ソシオ制度を導入できるかはこれから検討していきます。
近年の目標は2021年にJ3に参入、2025年にはJ1で「大阪ダービー」をしたいですね。2025年といえば、万博が開催予定で府外からお客さんがたくさん来ます。「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマなのでスポーツと健康をつなげて、他のサッカークラブ、他競技のクラブと連携して何か一緒にできたらと思います。

ー万博の年に、FC大阪がJ1で「大阪ダービー」をする。東大阪の街も、むちゃくちゃ盛り上がりますよね。ホームタウンを東大阪に置かれて1年5ヶ月になりますが、変化はありましたか?

吉澤会長 布施に事務所を開所してから、東大阪の各商店街や市内企業をFC大阪の営業マンが回っています。ポスターを貼ってもらえるお店も増えてきて、徐々に受け入れてもらえているなと実感します。

ーたしかに、色々なところでFC大阪のポスターを目にします。取材先などでも、「最近のFC大阪どう?」と聞かれることも増えてきました。昨年の花園第3でのヴェルスパ大分戦に、2685人(昨シーズン最多)の観客が集まったのは今後の期待の現れですよね。

ラグビーのゴールポストが外された花園第3(トライスタジアム)。

吉澤会長 あれだけ多くの市民のみなさんが観に来てくださった中で、0-1での敗戦はとても悔やまれます。今年は全て勝つつもりです。

ー東大阪市民も期待しています。今年はJリーグ参入がかかった年ですが、監督を交代しました。

吉澤会長 今季は監督・コーチを新たに招聘し、チームに勢いが生まれました。昨シーズンは最終順位でいえば8位でしたが、最下位になってもおかしくはなかった。シーズンを通して、次に繋がるサッカーが見えて来なかったんです。今年は若いスタッフの慣性を大切に、彼らのやりやすいようにサポートを。非常に良い関係で進められています。

ー平野将弘ヘッドコーチ(HC)は23歳です。

吉澤会長 平野HCは15歳からイギリスに渡って、ウェールズで分析を担当。堂々としていますし、選手に的確にアドバイスをくれます。選手からもわかりやすいという声が多いです。

本来であれば現在はシーズン中。吉澤会長は開幕延期をどのように捉えているのでしょうか。

ー監督、HCが代わり、3月の開幕を楽しみにしていたのですが、新型コロナウイルスの影響で7月18日に延期。さらに、シーズンも短縮されます。チームとしては何か変化はあるのでしょうか。

吉澤会長 今までであれば1年間で30試合、同じ相手と必ず2回戦います。その相手と1年間を通して駆け引きであったり、選手一人ひとりの調子や状態を見極めてどう戦って勝利していくか、というのが今までの戦い方。短縮されることで、長いスパンを考えての戦い方よりも、15試合をいかに勢いをつけて一気に駆け抜けるかという、いわゆるトーナメント戦のような戦い方に変わります。なので、7月18日の開幕戦はとても重要な試合です。

ー1試合の重みが違うということですね。最後に、改めて今年の抱負をお願いします。

吉澤会長 もちろん優勝です。その中で、J3に向けて様々なハードルを超えていく準備に、そして実行していきます。うまくいけば、来年のJ3開幕には参入している、ここがチームの1番の目標。そしてクラブとしては、FC大阪が東大阪のプラットホームになる役割を果たし、「FC大阪が東大阪に来てくれて良かったな」と思ってもらえるような取り組みを1つでも多く行っていきたいです。

ー優勝してJ3に行くことを期待しています!ありがとうございました。

吉澤会長 ありがとうございました。

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ホッケー 梶間

ホッケー 梶間

投稿者プロフィール

山口県出身。
大学生のときに大阪にやってきました。
高校からホッケーを始め、現在もやっています。
なのでホッケー梶間です。
10chとYouTubeを見て生きています。
食べに行ったお店の中で1番カロリーが高そうなものをだいたい注文します。

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